いただけない居酒屋メソッド
大学の同期のお母さんが亡くなって、久しぶりにサークルメンバーが集合した通夜。
精進落としの店(某居酒屋チェーン)に遅れて到着した私は、一番通路側の空いている席へ。
見ると、テーブルの上はガラーンとお通しと瓶ビール数本のみ。
「あれ?なんか頼んだの?」
「いっぱい頼んだよー、全然来ないー」と、女子はすでにブーイング。聞けば、枝豆だのおしんこだの、「すぐ出るメニュー」は、ぜんぶ売り切れだそうな。
男子のほうは意に介さず、ビールだけあればと話に夢中。
ようやく一品目を持ってきた金髪のお兄ちゃんに、さっそく聞く。
「さつま揚げは早く出るかな?」
「あ、いやぁ」
「じゃ、一番早いのはどれかな?」
「あ、あっちのメニューのほうがたぶん」
と、テーブルの真ん中辺に埋もれている手書きのメニューを指差す。「今日のおすすめ」というやつですね。
「なーんだ、それ教えてくれなくちゃぁ」
追加の注文を受けた兄ちゃんは、口元のマイクに小声で「12番さん、急ぎでお願いします」といいながら去っていく。
一連のやり取りを見ていた向かいの席の男子が、いきなり
「あれはいただけないな」
「えっ、なに?」
どうも、私のお兄ちゃんへの態度が気に入らなかったらしい。ん?言い方が怖い?威嚇でもしていたと?
すかさず、隣の女子が援護する。
「何いってるの、放っておくと一生来ないわよッ」
「いや、オレだったら、あんなこという女は、絶対に採用しない」
ふんッ、そんな上司のいる会社、こっちが願い下げじゃ。
威嚇(?)が効いたのか、いっぺんに皿を持ってきたお兄ちゃんに、「はい、ありがとう」と笑みを返す。と、それでいい、オレの助言が利いたとばかりに満足気。
違う!!!
一人焼肉をすすめる「悶々ホルモン」という本を出したライターの女の子がいっていた。男子の連れて行く店は大抵ハズレ。貴重な時間をそんな店に費やしたくない、女子のほうがずっと美味しい店を知っている…。
大いに共感したけれど、店によって店員との応対を柔軟に変化させるのも重要。居酒屋チェーンにもそれなりのお客のノウハウがある。キャッチ・アンド・リリース、アメとムチ、軽く落として持ち上げる、プレッシャーも仕事の肥やし。眠れる金髪兄ちゃんの職業意識を目覚めさせるために、母の叱咤も必要なの。
いつも同じような店でふんぞり返って、きれいなお姉さんに上品なもの言いしていたって、つまらないでしょッ
(おとな愉快団!「チーム三行半」こてちママ)






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