連載エッセイ<天国よいとこ 13>
天国の銀婚式ペアーリング
★私は下界ではいろいろな女性とおつきあいがあったが、天国に来てから10年にもなるとお付き合いして25年、“銀婚式”を迎える女性もいる。何かプレゼントでもしなくてはと思う。下界ではいろいろ面倒をかけたのだから、せめて天国では何かお返しをしなくては!
★私の恋人たちはたぶん天国に来るのは私より遅い。もしかしたら10年後かも知れない。その時がお付き合いして25年目かもしれない。
★私が下界にいたころは、毎日の生活に追われてとても過去にお付き合いした女性との銀婚式プレゼントまでアタマがまわらなかった。
★いま、もし天国に来てくれるなら“銀婚式ペアーリング”をプレゼントして、これからの天国生活<ペアリングしない?これから二人で仲良く暮らそう!>と言いたい女性がいる(でも、こればかりは天命なので、私が希望してもお付き合いしてちょうど25年目に天国へきてもらえるものかどうか?)。
★仮にその女性の名を“みどりさん”にしよう。みどりさんはマンションに住んでもテラスでガーデニングするような心の優しい女性だ。とにかくグリーンが大好きだ。私が彼女に“銀婚式ペアリング”を贈るとしたらエメラルドだ。しかも二人のこれまでの愛情を考えるとハート型のカットが良い(ハート型のエメラルドは非常に少ない。でも私はそれにこだわりたい。私たちの下界でのおつきあいの愛の深さを考えると、そうでなくては彼女に申し訳ない)。
★天国ではエメラルドは手に入りにくいが、私の生前の秘密コレクションにハート型のエメラルドがある。彼女のためにそれを下界から取り寄せて“銀婚式ペアーリング”を作ろう!彼女が天国に来たとき、私が出迎えに行って、長い間、貴方が天国に来るのを待っていました。そのシルシがこの銀婚式ペアーリング、貴方の好きなエメラルドです。私とペアーしてくれますか?
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★私は下界では30年もジュエリーの世界にいた。数多くの女性にジュエリー販売をしてきた。“ジュエリーの販売とは、女性に夢を売る仕事だ、だから私もいつも女性への夢を持ちつづけなければ”そんな奢った気持で過ごしてきた。
★しかし、私はサラリーマンだったのでお金に余裕が無い。お客様には高価ジュエリーをオススメしていても、自分の彼女に高価なジュエリーをプレゼントしたくても出来なかった。
★彼女が私に求めていたのは、金額の大小ではない。私の本当の気持がどれほど強いものか?それだったのだ。本当に彼女を心から愛していたのなら小粒でもよいから、彼女が本当に欲しいジュエリーをプレゼントすべきだったのだ。
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★天国で、みどりさんに言われるかもしれない。“銀婚式ペアーリング”貴方がそれを用意して私が来るのを待っていた、その誠意はわかるけど、ちょっと遅すぎたわ!私はもう、あの頃の私じゃないの。
★私の今の心境は、せっかく天国へ来たのだから、しばらくは“銀婚式”とか“スイートテン”(お互いに熱く愛し合っていた結婚10年間の想い出の記念ジュエリー)とか下界のルールは忘れてノンビリしたい。ピータローさん、貴方のご好意はわかるけど、しばらく私を自由にして!
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★そんなわけで、私の用意した“銀婚式ペアーリング”はムダになりました。
(おとな愉快団!ピータロー)






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